国内初、自社製品開発から量産までの8インチMEMS一貫ラインを立ち上げ
- 2007年12月12日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:作田 久男、以下オムロン)はこのたび、自社製品開発から量産までの8インチMEMS一貫ラインでは国内初となる8インチMEMSラインを、当社100%出資の子会社であるオムロン セミコンダクターズ株式会社(本社:滋賀県野洲市、代表取締役社長:和田 一馬、以下OSC)に新設いたしました。
この8インチMEMS量産ラインを用いて、2008年4月よりMEMSマイクロフォンの量産をスタートし、高周波のRF MEMSスイッチや圧力センサといった今後需要増大が見込まれるMEMSデバイスの生産を順次検討していきます。
8インチMEMSラインの概要
8インチMEMSラインでは、三次元構造体を形成するためシリコンウェハを加工するエッチング装置や、薄膜を形成するための成膜装置をはじめ、MEMSデバイスの生産に必要な設備を導入しています。08年度中に8インチMEMSで約1,000枚/月の量産体制を整える予定です。
8インチMEMSライン導入の目的と狙い
安心・安全・快適な社会の実現にはセンサ技術が核となっており、MEMSデバイスの果たす役割はますます大きくなっています。MEMSデバイスは機器の小型・軽量化、高機能化、低消費電力化を可能とし、またICとの融合によって、より高付加価値な商品を創出できます。
このため、情報通信機器、車載電装機器をはじめとした民生機器、自動車分野、さらにバイオ・医療、環境・防災、エネルギー分野等においても、MEMSデバイスの期待される用途は飛躍的に拡大しています。このような市場拡大に応えるためには、低価格化と大量生産への対応が不可欠であり、これを実現する切り札がウェハの大口径化です。
当社はこれまで、5インチラインでMEMSを生産していましたが、OSCにて既に保有する半導体8インチの量産技術・ノウハウを活かして、8インチMEMSの量産に着手します。
オムロンのMEMS技術とOSCの強み
オムロングループでは1980年代後半にMEMS技術の研究に着手しました。1996年には静電容量型圧力センサおよび加速度センサの量産を開始し、その後、フローセンサ、サーマルセンサ等を商品化しています。現在までにMEMSデバイスは累計3,000万個の出荷実績を有しています。このように当社では基礎研究から開発、量産、ファンドリ事業をはじめ、新規MEMSデバイス開発にも積極的に取り組んでいます。OSCは国内初の半導体8インチ量産を始めた歴史を持ち、卓越したプロセス技術力および解析力を有しています。
今回のMEMS量産ラインの8インチ化は、かつて国内で初めて半導体の8インチ化を成功させたメンバーと、長年MEMS開発および量産技術を確立したメンバーの混成チームで進めています。
今後の展開
MEMS製品を担当するマイクロデバイス事業では“Beyond the Semiconductor”を事業ビジョンとしています。OSCの保有する半導体プロセス開発技術、生産技術、設備保全技術等とオムロンの広範なアプリケーションノウハウ、コンポーネント開発力を組み合わせることにより、商品の価値アップを目指します。半導体メーカだけでもできず、コンポーネントメーカだけでもできない高付加価値商品化による事業展開を行っていきます。
8インチMEMS
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クリーンルーム
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企画室 広報担当 渥美 昌之
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