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さまざまな生活活動を正確に計測できるアルゴリズムを独立行政法人国立健康・栄養研究所と共同開発 - 臨床研究や保健指導ツール用活動量計として2008年1月から発売

  • 2007年10月16日
  • オムロン ヘルスケア株式会社

オムロン活動量計「Active style Pro HJA-350IT」
オムロン活動量計「Active style Pro HJA-350IT」

オムロン へルスケア株式会社(本社所在地:京都市、代表取締役社長:赤星慶一郎) は、独立行政法人国立健康・栄養研究所と共同で、さまざまな生活活動を正確に計測するアルゴリズムを開発しました。当技術を搭載した活動量計「オムロン活動量計 Active style Pro HJA-350IT」を、2008年1月から発売します。

2008年4月から、国の新しい健康増進政策として、40歳以上の被保険者・被扶養者全員の健康診断および保健指導が義務化されます。メタボリックシンドローム該当者および予備軍は、約2000万人と推定されており*1、厚生労働省が生活習慣病予防の運動施策として作成した「エクササイズガイド2006」*2を活用した、より効率的な保健指導ツールが求められています。
「エクササイズガイド2006」では、ウォーキングなどの運動に加え家事などの生活活動も含めたさまざまな身体活動量の基準値を設定し、個々人の体力等を踏まえた目標設定方法や運動内容などを具体的に示しています。特に、家事などの生活活動によるエネルギー消費量は、基礎代謝量や運動によるエネルギー消費に比べ推定が難しい上に個人差が大きいこと*3、また、今回の健診義務化では今まで健康診断を受ける機会が少なかった主婦も対象となるため、生活活動の状況を知り、保健指導に生かすことが重要になると考えられます。しかし、従来の加速度計では、歩行以外の生活活動量が正確に測定できませんでした。

当社では、「エクササイズガイド2006」策定の中心となった国立健康・栄養研究所に所属する、健康増進プログラム・田中茂穂エネルギー代謝プロジェクトリーダーと共同で、通常歩行に加え、ゆっくり歩行や速歩、ジョギング等、また掃除、洗濯などのさまざまな生活活動を識別し、それぞれの活動量を正確に推定するアルゴリズムを開発しました。
この技術を搭載した活動量計および管理ソフトを、大学等での臨床研究や、医療関係機関や健診事業者の保健指導ツールとして販売していきます。

なお、当商品は10月19日、20日に開催される日本肥満学会において、学会発表および商品展示を行います。

  • *1 厚生労働省「2005年国民健康・栄養調査」より当社にて推定
  • *2 厚生労働省は「健康づくりのための運動基準 2006 -身体活動・運動・体力」を策定し、生活習慣病を予防するための身体活動量と運動量の基準値を設定しました。これに基づき・運動所要量・運動指針の策定検討会より「健康づくりのための運動指針 2006 -生活習慣病予防のために-」<エクササイズガイド2006>が出され、身体活動の目標や目標を達成するための方法が具体的に示されています。
  • *3 一般的に、人の1日のエネルギー消費活動の内訳は、基礎代謝が60%、食事によるエネルギー消費10%、運動が0~10%、運動以外の身体活動が30%となっています。そのうち運動以外の身体活動によるエネルギー消費量はもっとも個人差が大きく、±200~300Kcalになります。(数値は、標準的な体格の日本人(スポーツ選手は除く)における、おおよその推定値。田中茂穂(2006)体力科学より)。

新開発のアルゴリズムについて

「エクササイズガイド2006」策定の中心となった国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム・田中茂穂エネルギー代謝プロジェクトリーダーと共同で、通常歩行に加え、ゆっくり歩行や速歩、ジョギング等、また掃除、洗濯などのさまざまな生活活動を識別し、それぞれの活動量を正確に推定するアルゴリズムを開発しました。
3次元加速度センサーを活用し、オムロン独自の信号処理によって、体の動きと姿勢の変化を捉え、さまざまな活動を識別することで、歩行時の活動量だけでなく、従来の加速度計では捉えることができていなかった生活活動時の活動量についても精度良く計測します。現在、活動量測定の基準法とされている「ダグラスバック法」*4と「二重標識水法(DLW法)」*5との測定結果比較において、精度の高い活動量計測を実現しています。

  • *4 採気用の袋(ダグラスバッグ)に一定時間収集した呼気を分析して得られた酸素消費量から消費エネルギーを推定する方法。
  • *5 酸素と水素それぞれの安定同位体を含む水(二重標識水:DLW)を飲んだ後、2つの同位体の尿への排泄量の変化を測定することにより、消費エネルギーを推定する方法。
活動量の推定精度
  1. ダグラスバック法を基準にアルゴリズムを開発。いずれの活動においても ダグラスバック法での実測メッツ(METs)と当アルゴリズムによる推定メッツ(METs)の誤差は小さい。

    <活動量の推定精度>

    ご参考: 従来の加速度計では、歩行以外の生活活動を過小評価

    ご参考: 従来の加速度計では、歩行以外の生活活動を過小評価

  2. 当アルゴリズムを搭載した活動量計で測定した1日の総エネルギー消費量は、二重標識水(DLW)法との相関が高い。

    グラフ:推定消費カロリー/実測消費カロリー

当技術の商品展開

当社では、このアルゴリズムを搭載した活動量計「Active style Pro HJA-350IT」を、来年1月に発売します。 当商品は、腰に装着するだけで活動量を正確に計測し、厚生労働省の新指標に基づく活動量の単位「エクササイズ(Ex)」*6で本体に表示します。これにより、保健指導者は厚生労働省のガイドライン「エクササイズ2006」に基づく指導が可能になります。
また、過去1分間の活動強度を「メッツ(METs)」*7で表示。現在の活動強度を確認しながら、効果的な活動を行う目安となります。
その他には週間のエクササイズの累計と当日歩数を表示し、さらに150日分のデータを本体に記録します。
さらに、管理ソフト(別売品)で「歩行活動」「生活活動」ごとのデータ管理が可能です。 商品本体をUSBケーブルでパソコンにつなぎデータを送信すると、「エクササイズ」、「歩数」のほかに、消費カロリー、活動時間を自動演算。「METs」「消費カロリー」「エクササイズ」「歩数」を時間帯ごとに、歩行/生活活動別にグラフで表示します。

  • *6・*7
    エクササイズガイド2006では、生活習慣病予防に効果のある身体活動量の目標を「週23エクササイズ以上の活発な身体活動(3メッツ以上の運動・生活活動)を行い、そのうち4エクササイズ以上の活発な運動を行うこと」としています。
    身体活動 :
    安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動き。
    運動 :
    身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの。
    生活活動 :
    身体活動のうち、運動以外のもの。
    メッツ :
    活動の強さの単位。身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当。
    エクササイズ :
    身体活動の量を表す単位。身体活動の強度(メッツ)に身体活動の実施時間(時)を掛けたもの。例えば、3メッツの身体活動を20分行った場合には、「3メッツ×1/3時間=1エクササイズ」となります。
本体表示画面

表示切替ボタンを押すと、本体表示画面が変わります。

当日エクササイズ
当日エクササイズ

1日目~7日目まで(1週間)の累計エクササイズ。
1日目~7日目まで(1週間)の累計エクササイズ。
機器使用開始の曜日を起点として、1週間の累計が表示されます。起点は、別売の管理ソフトで変更可能。

当日歩数
当日歩数

過去1分間の運動強度(METs)
過去1分間の運動強度(METs)

管理ソフトの特徴

*いずれも画面はイメージであり、最終とは異なります。

  1. 新指標「メッツ(METs)」で運動強度を表示
    一日の運動強度を時間帯ごとに棒グラフで表示します。歩行と生活活動別に、どのような時間帯に、どの程度の強度の活動をしているかが分かるので、生活活動のパターンの指導に役立ちます。

    <メッツ表示画面>

  2. 消費カロリー、エクササイズ、歩数をそれぞれグラフ表示
    日間、週間、月間、年間ごとに消費カロリー、エクササイズ、歩数をグラフ表示します。
    消費カロリーとエクササイズは、歩行と生活活動ごと、運動強度別に積み上げて表示します。

    <カロリー積算表示画面>

  3. 2つの項目を1画面表示
    メッツ・カロリー・エクササイズ・歩数のグラフから2つのグラフを、1つの画面で表示します。2つのグラフを比べることで、行動分析や生活活動パターンの指導に役立ちます。

    <メッツとカロリー画面表示>

  4. CSV形式での出力が可能
    これらのデータは、CSV形式での出力が可能です。また、個人データと団体データに分けての集中管理や、条件設定によるソート機能もあるので、保健指導の効果検証に有効です。
メーカー希望小売価格

本体HJA-350IT 21,000円(税込み)

主な仕様
名称/型式 オムロン活動量計 Active style Pro HJA-350IT
電源電圧 DC3V(リチウム電池CR2477×1個)
電池寿命 約2ヶ月(1日14時間使用)
表示 歩数              0~99999歩
エクササイズ(Ex)     0.01~999.99Ex
週間エクササイズ(Ex)  0.01~999.99Ex
メッツ(METs)         1.0~18.0METs
表示メモリ 歩数              1~7日分
エクササイズ(Ex)     1~7日分
週間エクササイズ(Ex)  1~4週間分
記憶メモリ
歩数
エクササイズ(Ex)
メッツ(METs)

活動カロリー
・60秒単位 : 150日分
・10秒単位 :  30日分
(当日の測定値含む)
*別売の管理ソフト(HMS-HJA-ICO1J)を利用して確認できます。
設定 日付 : 2007年1月1日~2050年12月31日         
時刻 : 0:00~23:59(24時間表示)         
通信機能 USB接続
質量 約60g(電池含む)
外形寸法 幅74×高さ43×奥行き34mm
付属品 ストラップ、ストラップ用クリップ
お試し用電池(リチウム電池CR2477×1個)
簡易ドライバー、取り扱い説明書(品質保証書付き)
管理ソフト「HMS-HJA-ICO1J」(別売品)仕様
<動作環境>
対応パーソナルコンピュータ 本体にUSB(1.1以降)ポートを装備したPC/AT互換機
対応OS WindowsXP Home Edition/Professional (SP2以上)
Windows2000 Professional (SP4以上)
Windows Vista (64bit版を除くすべてのエディション)
対応CPU Intel Pentium III 互換プロセッサ800MHz以上
必要メモリ 512MBytes以上(推奨1GBytes以上)
必要なハードディスクの空き容量 10GBytes以上(推奨30GBytes以上)
ディスプレイ解像度 1024×768以上
ユーザーI/Fデバイス キーボード及びポインティングデバイス
その他 Windows Installer 3.1 以上
Acrobat Reader 6.0以上

*仕様は変更になる場合があります。

オムロン活動量計「Active style Pro HJA-350IT」
オムロン活動量計「Active style Pro HJA-350IT」

詳細お問合せ先
オムロン ヘルスケア株式会社
E-mail : pr_ohq@omron.co.jp
一般の方のお問い合わせ先
オムロン ヘルスケア お客様サービスセンター
フリーダイヤル:0120-30-6606
(受付時間 9:00~19:00[祝日を除く月~金])
オムロン ヘルスケアサイトはこちら

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