リアルタイム笑顔度測定技術を開発
- 2007年9月5日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社は、カメラで撮影された人の顔画像から笑顔度を測定する「リアルタイム笑顔度測定技術」を開発しました。本技術は、画像の中から顔を見つけ出し、笑顔度合い(笑顔度)を0から100%の間で自動測定するものです。 <イメージ写真>
本技術は、10月2日(火)から10月6日(土)まで幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2007」に出展し、カメラで撮影した顔画像の横に笑顔度をリアルタイムに表示するデモンストレーションを行います。
一般的に顔認識技術は、顔の向きによって認識率が低下することに課題がありました。しかし本技術では、既開発の3Dモデルフィッティング技術をベースにしたことで、笑顔度の測定に必要な口や目など顔の器官形状を正確に取得することができます。これにより、高速かつ正確に笑顔度を測定することが可能となりました。
本技術は、デジタルカメラで人物を撮影する際に最も良い笑顔で撮影することや、ロボットが人の表情を読み取ることで人とロボットのより高度なコミュニケーションを実現すること、また接客業向けの笑顔チェッカーなどへ応用することが可能です。
当社は、顔から様々な情報を取得する顔画像センシング技術「OKAO® Vision」をコア技術のひとつとして位置付け、1995年以来、技術開発を進めてきました。これまで、顔位置検出、本人認証、顔向き検出、視線や瞼・口の開閉検出および年代・性別推定を可能とする技術開発を行ってきました。これらの技術は、携帯電話の個人認証機能、デジタルカメラのオートフォーカス機能、プリンタの美肌補正機能などに応用されています。
当社は、顔画像センシング技術をさらに進化させていくことで、笑顔度測定技術を含めた表情推定、更にはより高度な感情理解への技術開発を目指し、「人と機械のベストマッチング」を具現化していきます。
特長
- カメラの画像の中から顔を見つけ、笑顔度(0~100%)を測定します。
- 高速(リアルタイム)に自動測定します。
- 顔を事前に登録する必要がありません。
- 同時に複数人の笑顔度を測定できます。
- さまざまな機器に組込み可能な小型のプログラムサイズです。
- 世界中の人に適用可能です。
仕様・性能
- 対象範囲
顔向き左右30度以内、上下15度以内
顔幅 60ピクセル以上 - 測定速度
0.044秒(画像入力から笑顔度測定出力まで)
動作クロックPentium4 3.2GHz - メモリサイズ
プログラムサイズ 約46KB - 対応OS
Windows 2000/XP
(ICチップ化やモバイル機器などの組込み機器への応用も可能)
- ※ リアルタイム笑顔度測定技術の紹介ホームページ :
- https://www.omron.co.jp/ecb/products/egao/index.html
技術的な特長
人は目や口の形、顔のしわの形など、顔全体に分布する特徴から笑顔かどうかを判断しています。これを機械に自動的に認識させるためには、顔全体の形状を正確に測定することが必要になります。そのために当社では、独自の3Dモデルフィッティング技術を適用しています。
笑顔度測定処理フロー
3Dモデルフィッティングとは、数千人の顔画像を元に作成した3次元顔形状モデルを、2次元の顔画像に高速に適合させる技術です。これにより、顔の形状を高速に測定し、目や口の形状をリアルタイムにとらえることを実現しました。さらに、目や口の周辺については、笑顔に特徴的な顔のしわなどの変化を詳細にとらえます。これらの変化を最新の統計的識別手法により総合的に解析することで、小型・高速でありながら正確な笑顔度測定を実現しました。
笑顔による顔の変化
口角が上がる、目尻が下がる、などの変化が代表的ですが、他にも顔のしわなど、顔全体にさまざまな特徴が現れます。「笑顔」を正確に認識するためには、これらの特徴を正確にとらえることが必要です。
顔に現れる笑顔の特徴(一例)
測定例
画像に写っている複数の人の笑顔も瞬時に測定することができます。 また、事前登録等の作業は不要なので、誰の顔でもすぐに測定することができます。
- 詳細お問合せ先
- オムロン株式会社
コーポレートコミュニケーション部長 生越 多惠子
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
TEL : 075-344-7175