日本メーカー初!自らシステムを最適化できる新シリーズのUHF帯リーダライターを全世界で発売
- 2006年8月2日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:作田久男)は、米国で販売しているリーダライターの流通・物流分野などの現場対応力を向上させ、EPCグローバル Gen2規格に準拠したUHF帯リーダライターを米国・日本・欧州向けに3機種を発売します。
発売する新商品
UHF帯EPC global Gen 2リーダライター
地域 |
商品形式 |
発売予定日 |
米国 |
V750-BA50C04-US |
2006年10月 |
日本 |
V750-BA50C04-JP |
2006年12月 |
欧州 |
V750-BA50C04-EU |
2006年12月 |
これまで貨物の仕分けを行なう高速コンベアや、入出荷作業等で多数の商品を一度に読む必要がある物流ゲートでは、リーダライターの性能を最大限に発揮させるためにパラメータを変えるなどの調整が必要でした。このため、従来のリーダライターでは、設置環境が変わるたびに、ユーザーが都度自ら設置環境にあったパラメータをリーダライターに設定する必要があり、現場での対応力が問われていました。
今回、オムロンが発売するリーダライターは、米国での豊富な現場での経験を踏まえ、自らシステムを最適化する機能を盛り込むことで、自ら設置環境に適合できるようにしました。これにより、アプリケーションにすばやく適合できるようなり、ユーザーにとっては、現場対応での時間の節約ができるなどの効果が期待できます。
リーダライターの主な特長は、つぎの通りです。
主な特長
- 相互干渉の回避機能を搭載
DRM(Dense Read Mode:*1)やLBT(Listen Before Talk:*2)機能を搭載(※LBTは欧州、日本のみ)して、高度な帯域制限技術やキャリアセンス方式(*3)採用で、リーダライター間の干渉を大幅に抑制しています。 - 過去のノウハウを盛り込んだ多彩な機能を搭載(※詳細後述を参照)
アプリケーションに最適化された交信モードやWEB画面で設定可能なカスタマイズ機能などユーザーが使いやすい機能を準備しています。 - 保守性・拡張性機能を搭載
エラーロギングやノイズチェック、リーダライターの状態が分かる状態表示機能なども盛り込んでいます。ファームウェアのアップグレードや制御ポートを搭載することにより将来的な機能拡張にも対応できます。
この新シリーズは、日本・欧州では新規の投入となります。一方、米国市場では、先にV740というClass0、Class1、Gen2が読み書きできるマルチプロトコルリーダライターを発売しています。この市場に新シリーズの高性能Gen2リーダライターを投入することで、米国市場における商品ラインアップの拡充を図ることになります。
今後、オムロンでは、RFID機器導入の現場での経験を活かし、現場対応力をさらにレベルアップして、サプライヤー、ラベル加工業者、プリンタメーカーなど広範囲の業種・業態で使用して頂ける「使い易いリーダライター」を目標に商品開発に取り組んでいきます。
- *1 DRM (Dense Read Mode)
Gen2規格で開発された通信規格で送信信号に信号処理を行なうことにより、送信時に使用する周波数帯域を狭くする通信モードです。この技術を採用することにより、RFIDの課題のひとつであるリーダライター同士の相互干渉を軽減することが可能となります。 - *2 LBT (Listen Before Talk)
リーダライターが送信する前に使用するチャンネル(周波数)が使われているかを確認し、使われていなければ送信する方式です。この技術を採用することにより、 RFIDの課題のひとつであるリーダライター同士の相互干渉を軽減することが可能です。特に 欧州、日本のようにチャンネル数が少ない国で効果があります。 - *3 キャリアセンス
LBTで行なう送信前にチャネルが使われているかを調べる方法です。
過去のノウハウを盛り込んだ多彩な機能
(1)アプリケーションに最適化された交信モードを複数搭載
- オートチューニングマルチアクセス
物流ゲートでは通過するタグの枚数が状況により大きく変化します。従来は、ユーザーがタグの枚数により最適なパラメータを設定する必要がありましたが、このモードではリーダライター自身がタグの枚数を予測し最適なパラメータを設定しますので、ユーザーは設定の負担が少なくなります。
ポータルリーダーによる入出庫管理のような、タグの数量が通過の度に異なるような場合にでも、設定を変更することなく使用できます。 - シングルアクセス
コンベアラインでの読み取りは、UHF帯は交信距離が長いために、非常に高速な確実性のある読み取りが要求されます。しかし、タグを複数読み取る必要がないため、1枚のタグ読み出しに最適化したパラメータの設定が必要となります。この設定をリーダライター自身が設定しますので、ユーザーは設定の負担が少なくなります。
荷物搬送や仕分け用のコンベアにおいて、順次に高速に流れてくる荷物に付けられたタグを確実かつ到着順に読み出すことが可能です。 - フィルタリング
混載品に指定グループ商品の確認を素早く行いたい場合、複数のタグをグループ化することにより、対象のグループのみを読み取り対象とすることができます。このことで、ユーザーは、所望商品の所在確認を速く把握できます。
フィルタリング機能を使用することにより、複数のタグの中から指定したデータを持つタグだけを読み出すことができる。読み出しの必要のないタグを読まないので、読み出し時間を短縮できます。
(2)簡単設定で機能をカスタマイズ
従来のリーダライターでは、RFIDシステムの高速化を行なうために、アプリケーション毎の処理をリーダライター内部で行なうためのプログラミング機能を搭載していました。しかし、これを使用するには、リーダライターの持つ非常に複雑な制御コマンドや大規模なプログラミング知識が必要となり、導入コストや開発期間の増大に繋がっていました。
今回のリーダライターでは自己実行機能と呼ばれる簡単なプログラミングモードを搭載しており、WEB上からの簡単な設定によりカスタマイズが可能です。
例えば、上位システムからリーダライターの自己実行機能を利用すれば、リーダライターは交信領域内に目的のタグの存在を確認すると、自ら目的のタグの存在をLED表示器などで表示して知らせることができます。
リーダライターの自己実行機能(上位からの設定条件に条件が合致すれば、リーダは自らそのトリガーで処理を実行)を利用して、複数のタグの中から指定したデータを持つタグだけを読み出して、外部LEDを一定期間表示させられます。
リーダライター V750-BA50C04-□□の仕様概要
項目 | 仕様 | |
交信仕様 | ||
使用周波数帯 | V750-BA50C04-US | 米国:902M-928MHz(50ch,FHSS) |
V750-BA50C04-EU | 欧州:865.6M-867.6MHz:(10ch,LBT) | |
V750-BA50C04-JP | 日本:952M-954MHz:(9ch,LBT) | |
規格 | EPC Class1 Generation2 | |
接続アンテナ | (送受信一体)×4 ポート | |
構造/環境性 | ||
使用温度範囲 | -10~+50℃ | |
保護構造 | IP50 | |
電源供給方式 | 専用ACアダプタより供給 | |
外形寸法 | 246×215×43.5mm | |
取り付け方式 | 4点ネジ取り付け | |
システムインターフェイス | ||
制御インターフェイス | Ethernet、RS-232C | |
Input/Output機能 | 入力4点、出力4点 | |
LED表示 | 動作状態×8表示、Input/Output状態×8表示 | |
コマンド仕様 | V750専用制御プロトコル | |
拡張機能 | ・ソフトウェアアップグレーダブル
・機能拡張用制御ポート |
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社
事業開発本部 RFID事業開発部
広報・渉外担当 立石 俊三
TEL: (03) 5435-2016
弊社の2009年3月21日付組織変更において、「事業開発本部 RFID事業開発部」は解消(廃止)となりました。本製品につきましては、2009年4月1日以降、弊社インダストリアルオートメーションビジネスカンパニーから提供させていただくことになりました お問い合わせは、こちら