金属を含む貼付対象物の影響を低減したUHF帯RFID Gen2 Loopインレットを発売
- 2006年7月11日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:作田久男)は、EPCグローバル仕様準拠のUHF帯対応 Class1 Generation2のインレット(形V750シリーズ Gen2 Loop インレット)を2006年8月初旬より発売します。このインレットは、860M~960MHzの周波数に対応し、金属を含む貼付対象物の影響を低減したインレットとして、家電業界のサプライヤーや大手流通小売業への納入業者やラベル加工業者等へ供給します。
今回発売する新商品
形V750シリーズ Gen2 Loop インレット
形式 | 最小出荷単位 | インレット価格 |
---|---|---|
形V750-D22M02-IM | 5000個/ロール | オープン価格 |
(仕様詳細は表1、図1をご参照ください)
国際規格のISO18000-6では、UHF帯 RFIDシステムの周波数帯域は860MHz~960MHzと決められており、各地域の電波法によって使用できる周波数が規定されています。ICタグは製品の生産国で外箱などに貼り付けられ、その製品がグローバル規模で流通すると、使用できる周波数帯域が異なる国でも同等な交信性能を発揮することを要求されます。しかしながら、これまでのICタグは周波数帯域の違いによる問題で、使用する国によってはICタグの交信距離が大きく低下、または交信が出来ないという課題がありました。
また、金属を多く含む家電商品など貼付対象物の影響による、ICタグの交信距離の著しい低下も課題となっています。これは、ダンボール等に箱詰めされた内容物の特性により、ICタグのアンテナ特性(インピーダンス、アンテナ利得)が変化することが原因となっています。
オムロンは、これら2つの課題を克服するため、インレットアンテナのインピーダンスと指向性を最適に設計することにより、グローバル周波数対応、及び、金属を含む貼付対象物の影響を低減したGen2 Loopインレットを開発しました。
この新インレットは、大量のものを、一括で、遠くから、速く読み取ることが要求される流通業界、家電業界、医薬品業界などで使われるパレット、ダンボール箱などに貼付できるラベルタグを主なアプリケーションとして考えています。
現在販売中のClass1 Loopインレットで実現した通常の貼付物の影響を受け難いという優れた性能は踏襲し(図2参照)、GEN2 Loopインレットでは金属面からの数mm程度という厳しい条件でも、1m程度の交信距離を確保することができます(図3参照)。
今後、オムロンは、米国市場における顧客ニーズの把握と技術蓄積を行いながら日本国内向けの商品開発に反映すると共に、この商品を家電量販店ICタグ導入等に合わせてICタグユーザーへ大量に高品質なインレットを安定的に提供していきます。また、オムロンは、日本・米国・欧州・中国・アジア各国にて、UHF帯インレット事業を展開していきます。
表1 インレット 形V750シリーズ(Gen2 Loopインレット)の主な仕様
搭載チップ | EPCglobal Class1 Generation2 |
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交信周波数 | UHF帯 860MHz~960MHz(日本、米国、欧州、中国、アジア各国他) |
メモリ | 240 bits NVM(EPC :96 bits) |
外形寸法 | 68mm×70mm |
動作温度 | -20℃~55℃(氷結、結露しないこと) |
保存温度 | -20℃~55℃(氷結、結露しないこと) |
保存湿度 | 最大60% RH |
図1 インレット 形V750シリーズ (Gen2 Loopインレット)外観図
図2 ABS樹脂にインレットを貼り付けた場合の比較
図3 金属板(250×250mm)に隙間を空けてインレットを貼り付けた場合の交信距離比較
注:図2,3はリーダの動作周波数915MHzでの取得データです。
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社
事業開発本部 RFID事業開発部
広報・渉外担当 立石 俊三
TEL: (03) 5435-2016
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