高速光インターフェースモジュール・ベンチャー企業 アデュロ社(米カリフォルニア州)を買収
- 2006年1月10日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(代表取締役社長:作田 久男/以下、オムロン)は、米国カリフォルニア州プリザントン市にある高速光インターフェースモジュール(以下、光I/F)(※1)メーカー、アデュロ社/Aduro Inc.(以下アデュロ社、CEO:ブライアンC ピータース氏 Brian C Peters氏)を2005年12月30日に買収しました。
近年、LANの高速化により10ギガビットイーサネット(10GbE)(※2)のサービスが拡大しており、ルーター/スイッチ(※3)といった伝送装置が使われています。 それら伝送装置に組み込まれる、光信号の送受信処理を行う光トランシーバ(※4)の送信側用デバイスとして、当社は4波長多重化デバイス(型式P1X4)(※5)をすでに販売しています。 このたび、光トランシーバの受信側に使われるコンポーネントを得意とするアデュロ社を買収することにより、両社の営業面でのシナジー効果が大きいことと、将来の光I/F事業への展開のために必須の電気-光変換技術を獲得できることから、今回の買収を決心しました。
今後、当社では拡大を続けている10ギガビットイーサネット(10GbE)市場において、送受信それぞれの製品を一括で供給し、市場拡大を図ります。 また、家庭においても高画質の映像の送受信が増加することからFTTH、ホームネットワークに向けた商品開発を進め、さらなる事業の拡大を目指します。
なお、これら光インターフェースモジュールの日本国内での発売を2006年春に予定しており、2006年1月18日(水)~ 20日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「第6回 ファイバーオプティクスEXPO」に出品します。
記
1. 買収方法
オムロンの電子部品を取り扱う社内カンパニーのエレクトロニクスコンポーネンツビジネスカンパニーがオムロンの北南米地域統括会社である オムロンマネージメントセンター オブ アメリカ社/Omron Management Center of America, Inc.(略称:OMCA、オムロン100%子会社)の100%出資を受けて、新設した子会社オムロン ネットワーク プロダクツ社/Omron Network Products LLC. (略称:ONP)が、アデュロ社を買収した。
2. 買収の期日
2005年(平成17年)12月30日
3. 新会社の概要
会社名 | オムロンネットワークプロダクツ社 英文名:Omron Network Products LLC. |
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設立日 | 2005年(平成17年)12月1日 |
事業内容 | 高速通信用デバイスの開発および生産 主要製品: |
代表者 | CEO(非常勤): COO: CTO: 取締役(非常勤): |
資本金 | 3百万USドル (OMCA 100%出資) |
所在地 | 米国 カリフォルニア州 プリザントン市 |
従業員数 | 11名 (2006年1月現在) |
売上高 | 2005年度(1月~3月)見込み 75万USドル,2006年度目標 4.5百万USドル |
4. アデュロ社の概要
2003年7月に前身のブレーズネットワークプロダクツ社 BLAZE Network Products, Inc.(以下ブレーズ社)をMBOで買収し設立した会社で、ブレーズ社の持つ小型の波長多重光I/Fの製品・技術を引き継ぎ、事業を進めてきました。
特に10GbEの中で4波長多重を用いるLX4(※6)規格向けでは高い技術を保有し、受信モジュールが複数の大手光トランシーバメーカで採用されています。また、家庭での高速ビデオ伝送においても事業を進めています。
※1 光インターフェースモジュール :
光ファイバーを介して伝送される光信号を電気信号に変換し電線に送る、または電気信号を光信号に変換し光ファイバーに送るモジュール。
※2 10ギガビット・イーサネット :
伝送速度を10ギガビット/秒に高速化したイーサネット伝送方式。近年、都市間・都市内のネットワークの高速化に同期する形で、企業や官公庁・大学などのビル内やキャンパス内の数百メートルのネットワークにも展開されてきている。
※3 ルーター/スイッチ :
インターネットやLANを相互接続する装置の1つ。「パケット」と呼ばれるデータのかたまりに付いた番号(アドレス)で送り先を判断し、適切な経路を選択しながら情報を伝送する装置。
※4 光トランシーバ :
光信号の送受信処理を行うコンポーネント。電気信号を光の信号に変換し、光ファイバーを介して送受信を行うデバイス。従来は長距離の基幹網に使われていたが、近年、FTTHなどで大量に使用されるようになった。
※5 波長多重(WDM、Wavelength Division Multiplexing) :
光ファイバー通信の初期には1本の光ファイバーに一つの光信号を伝送していたが、より高速に活用するために、異なる複数の波長毎に信号を乗せ伝送することで、数倍から数百倍の高速化を可能にした技術。
※6 LX4 :
10ギガビットイーサネットの規格の一つ。1.3μm帯の4つの波長を使い、それぞれに2.5ギガビット/秒の信号を乗せ、合計10ギガビット/秒を実現する方式。1波長で10ギガビット/秒の伝送方式もあるが、品質の悪い既設の光ファイバーでは実用化されていない。LX4では品質の悪いファイバーでも300m超の伝送が可能。
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- エレクトロニクスコンポーネンツビジネスカンパニー
光通信デバイス事業推進部
福田 一喜
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