世界で初めてRFID業界向けRoHS対応のUHF帯リーダライターを発売

  • 2005年9月13日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社(本社:京都市、社長:作田久男)は、2005年9月末に世界で初めて、欧州の規制であるRoHS(*1)指令に対応したUHF帯リーダライターを、米国流通業界向けにいち早く発売します。
また、このリーダライターは、送受一体型のMono-Staticタイプ(*2)のアンテナを最大4台まで接続できます。2005年度に北米市場で、このリーダライターを2,000台出荷し、5億円の売上げを見込んでいます。
今後、RoHS対応のUHF帯リーダライターは、欧州市場向けの発売も計画しています。

RoHS対応については、化学物質に関する法規制が全世界で強化されています。特に欧州のRoHS指令、WEEE※1指令、ELV※2指令では、製品への含有禁止・排除の義務化など、これまでのような「環境に配慮した製品」ではなく、「環境を保証した製品」の提供が企業に求められています。欧州では2006年7月1日より販売する製品より、特定有害物質の使用が禁止されることになっています。オムロンでは、今回の製品にも規制化学物質として、73物質を使用禁止・全廃物質、5物質を代替促進物質、134物質を自主管理物質と位置付けています。
一方、これまで送受分離型のBi-Staticタイプ(*3)のアンテナを最大で2台まで接続できるリーダライターを発売してきました。今回、Thing Magic(*4)陣営では初めて発売したこのMono-Staticタイプは、Bi-Staticタイプに比べて、2倍のアンテナを接続でき、しかも、4台のアンテナを接続した場合でも、アンテナを1台接続した場合と比べても、同等の性能を有しますので、コストパフォーマンスに優れた製品と言えます。このリーダライターも、国際標準化団体EPCグローバルの規格であるEPCグローバルClass C1b(*5)に準拠しています。さらに、最近話題のEPCグローバル規格C1G2(*6)は、2005年10月より、リーダライター本体のソフトウェアを更新することでご使用になれます。

EPCグローバルの最近の動き

物流・流通業界では、すでにボーダレス時代に入りであり、世界中のさまざまな国の商品が行き交っています。しかしながら、現在、RFIDによるグローバルな物流やトレーサビリティは実現できていません。こういった中、C1G2がISOの世界標準になれば、世界中で物流の効率化、トレーサビリティなどが実現することになり、社会発展・産業発展に繋がります。そのため、EPCグローバルのエンドユーザー会員は、C1G2規格の製品が出ることを最も期待しています。
このような背景からEPCグローバルは、2005年1月、ISO/IECの国際標準化団体に対して、物の管理用RFIDである18000-6の国際規格に「タイプC」としてC1G2を提案しました。この「タイプC」は、C1G2の規格がそのまま採用されることになり、2006年初めには国際規格になる見込みです。今後、多くのRFIDベンダーによるC1G2規格の製品開発および普及により、ICタグや機器の低価格化も望めます。

オムロンの今後の取組み

環境について、オムロンでは全社の取り組みの一つに、つぎの環境宣言を挙げています。
環境宣言 :「私たちは、環境と人との調和を目指し、公器性の高い企業活動を通して、よりよい環境の実現に貢献します。」
オムロンでは、環境を保証した製品をお客様へ提供するために2006年3月末までに全てのオムロン製品からの規制化学物質全廃を目標に定め、この目標達成に向けて取り組みを推進しています。
2004年度は、環境を保証した製品を提供するための業務の仕組み構築とIT支援システム(Rechs/E-Warps)の機能充実に取組んできました。2005年度はこれらの仕組みを活用した製品からの規制化学物質の全廃対応に注力し、2006年3月末全廃の目標必達に向けて取組んでいきます。製品の規制化学物質削減2006年3月末に全製品から規制化学物質を全廃します。
RFID事業においては、RFID機器ベンダーとしてRFID導入の豊富な実績と、経験に基づくノウハウ、商品技術力の高さを武器に市場での拡販を図っています。UHF帯のICタグインレットの普及・拡大が、米国市場から欧州市場へ、さらには生産基地である東アジアへと波及するものと予測しています。そして、ICタグインレットとリーダライターの商品化技術および生産技術で、ニーズにマッチした製品をタイムリーに提供し、市場を段階的に拡大させ、事業量の拡大を目指します。

(*1)RoHS対応について

RoHS対応とは、欧州におけるRoHS(電機電子機器特定有害物質使用制限)指令にしたがって、製品を作りこみ市場に投入することを意味します。
欧州では2006年7月1日より販売する製品より、特定有害物質の使用が禁止されることになっています。特定有害物質とは、鉛Pb、カドミウムCd、水銀Hg、六価クロムCr6+、ポリ臭化ビフェニル類PBBs、ポリ臭化ジフェニルエーテルPBDEsなどがあります。製品に規制化学物質が使用されていないことを証明するためには、使用する全部品に対して含有の有無と含有量(含有率)を調査する必要があります。
規制化学物質は、RoHS指令で規定している6物質以外にも様々なものがあります。

(*2)Mono-Staticについて

今年の9月よりリリースするリーダライターは、Mono-Staticタイプです。機器のなかで、アンテナへの送信部とアンテナからの受信部が合成されており、アンテナ素子が1個で、ICタグとの送受信が可能となります。このタイプは、送信信号が受信信号に流れ込むために、特性が安定しにくいとされていました。オムロンは、送信信号を受信信号に流れ難くする技術を確立して、商品化に成功いたしました。このことで、従来のBi-Staticタイプに比べて、2倍のアンテナを接続でき、エンドユーザーが求めている低価格のRFIDシステムの実現を可能としました。ただ、このタイプは、EPCグローバルのClass0のICタグとの交信は不可能です。

(*3)Bi-Staticについて

これまでリリースしてきたリーダライターは、Bi-Staticタイプです。アンテナへの送信部とアンテナからの受信部が分離されており、ICタグと送受信するためには、機器本体にアンテナ素子が2個必要となります。このタイプは、EPCグローバルのすべてのクラスのICタグとの交信ができますが、アンテナがリーダライターに2台までしか接続できませんので、Mono-Staticタイプに比べて割高になります。

(*4)Thing Magic について

RFIDやセンサー技術の研究・開発で世界のリーダ的立場にあるThingMagic社は、2000年に米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市で設立されたベンチャー企業です。国際標準化団体であるEPCグローバルの主要メンバーで、Tyco, Intelなどの数多くのIT企業と提携関係にあります。また、Wal-Mart、Target Corp、国防省などによる大規模な導入の動きもあり、RFID市場は数年中に急速に拡大することが期待されている。

(*5)EPCグローバル Class1b について

Class1bとは、EPCグローバルの第1世代Class1の一つのバリエーションです。その特長は、128ビットの記憶容量を持ち、そのうち96ビットをユーザーが使用することができます。また、不揮発性メモリーの搭載により、サプライチェーンでのタグ貼付時にユーザーがプログラミングすることで、個別アイテム毎に所定のコードを入力できるほか、移動や処理が進むごとにデータを更新することが可能です。

(*6)EPCグローバル C1G2(Class1, Generation2)について

2004年末に国際標準化団体のEPCグローバルにより承認されたプロトコルのことで、その特徴は次の通りです。

  1. メモリーの中にEPC(電子製品コード)を格納するメモリー領域を確保
  2. 高速な読み取り速度を実現
    ・ICタグとリーダライターへの伝送速度は、最高640kbpsと高速。
  3. プライバシー保護やセキュリティ機能を付加
    ・プライバシー保護対策として、ICタグを永久に使用不可にできるKILLコマンドを用意。
    ・セキュリティ面では、パスワードによりメモリーへのアクセスを制限できる機能を用意。
  4. リーダライターの高密度設置での動作環境への対応などを大幅に改善
    ・リーダライターの高密度設置での相互干渉を回避する機能を用意。
    ICタグの反射数周波数をリーダライターから設定することができるため、リーダライターとICタグ間の送信および反射周波数の干渉を回避することが可能です。
詳細お問い合わせ先
オムロン株式会社
事業開発本部 RFID事業開発部
広報・渉外担当 立石 俊三
TEL : (03) 5435-2016

弊社の2009年3月21日付組織変更において、「事業開発本部 RFID事業開発部」は解消(廃止)となりました。当部門から提供しておりました製品の中には今後の販売を終了させていただくものがあります。

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