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グローバルスタンダード準拠のUHF帯RFID製品の国内メーカー初の出荷開始 ~ EPC Global仕様のC1G2準拠のRFID製品 ~

  • 2005年9月5日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社(本社:京都市、社長:作田久男)は、米国流通業界でのICタグ導入に対応し、2005 年10月より、EPCグローバル仕様(*1)のC1G2(Class1 Generation2)準拠(*2)のICタグインレットとリーダライターを国内メーカーとして初めて、大手小売業への納入業者やラベル加工業者等に対してサンプル出荷を開始します。なお、100万枚を越えるICタグインレットの量産出荷は2006年2月を予定しています。

2006年度 北米RFID事業規模見込み 年間出荷枚/台数

1) ICタグインレット V740シリーズ 2億枚
2) リーダライター V740シリーズ 10,000台
3) アンテナ V740シリーズ 20,000台

今回サンプル出荷するICタグインレットとリーダライターは、米国で使用されているUHF帯902~928MHzの周波数帯域に対応し、国際標準化団体EPCグローバルの規格であるEPCグローバルClass C1G2(*2)に準拠しています。
今回のICタグインレットは、オムロンが独自に開発した「超音波を応用した実装技術」を採用しています。この技術により、ICチップのモジュールへの短時間実装が実現でき、さらにそのモジュールをコイルへ金属融着することで強力に接合することができます。その結果、高品質なICタグの大量生産が可能となり、お客様に低価格なICタグインレットを提供することができます。なお、これまでのEPC規格で最も使用されているClass1b(*3)に準拠したICタグインレットは、C1G2が拡大普及するまで継続的に生産していきます。
また、リーダライターは、現在普及しているEPCグローバル規格の第1世代(プロトコルClass0、Class1、Class1b)である各種のICタグを読み書きすることができます。既に出荷済みのリーダライターは、本体のソフトウェアを更新することでEPCグローバル規格C1G2にも対応します。

米国流通小売業界でのICタグ導入の背景

2002年以来、米国大手流通小売店であるウォルマート・ストアーズは、1. サプライチェーン上でバーコードによる入出荷作業の削減、2. 欠品による売上機会損失の防止、3. 流通過程における不正行為防止、4. サプライチェーン上の商品追跡のコスト削減などの導入効果の検証をしてきました。
また、ウォルマート・ストアーズへの納入業者であるサプライヤー、大手ラベルメーカーも、各ベンダーの開発したICタグのサンプル製品評価を行ってきました。その結果を受けてウォルマート・ストアーズは、2005年1月1日から、納入業者に対してパレット・ケースにICタグを装着するよう義務付けました。製品を梱包したケースや、それを積載するパレットにICタグを装着するため、ICタグインレットの需要は急激に増え、大型の商談が活発化しています。

そもそも物流・流通業界はボーダレスであり、世界中のさまざまな国の商品が行き交っています。しかしながら、現在、RFIDによるグローバルな物流やトレーサビリティは実現できていません。こういった中、C1G2がISOの世界標準になれば、世界中で物流の効率化、トレーサビリティなどが実現することになり、社会発展・産業発展に繋がります。そのため、EPCグローバルのエンドユーザー会員は、C1G2規格の製品が出ることを最も期待しています。

この背景からEPCグローバルは、2005年1月、ISO/IECの国際標準化団体に対して、物の管理用RFIDである18000-6の国際規格に「タイプC」としてC1G2を提案しました。この「タイプC」は、C1G2の規格がそのまま採用されることになり、2006年初めには国際規格になる見込みです。今後、多くのRFIDベンダーによるC1G2規格の製品開発および普及により、ICタグや機器の低価格化も望めます。

オムロンの今後の取組み

オムロンでは、RFID機器ベンダーとしてRFID導入の豊富な実績と、経験に基づくノウハウ、商品技術力の高さを武器に市場での拡販を図っています。当社は、UHF帯のICタグインレットの普及・拡大が、米国市場から欧州市場へ、さらには生産基地である東アジアへと波及するものと予測しています。そして、ICタグインレットとリーダライターの商品化技術および生産技術で、ニーズにマッチした製品をタイムリーに提供し、市場を段階的に拡大させ、事業量の拡大を目指します。

(*1)EPCグローバルについて

EPCグローバルは、流通標準化機関である欧州の国際EAN協会と米国の流通コード機関であるUCCが共同で2003年9月に設立した非営利法人で、ICタグとネットワーク技術を組み合わせたEPC (Electronic Product Code)システムの管理および運営を行っています。ICタグシステムの研究と国際標準化を進めてきたオートIDセンターの研究成果を引き継いでいます。なお、オムロン株式会社は、EPCグローバルの会員です。日本では、(財)流通システム開発センターにEPCグローバルJAPANの窓口があります。

(*3)EPCグローバル Class1b について

Class1bとは、EPCグローバルの第1世代Class1の一つのバリエーションです。その特長は、128ビットの記憶容量を持ち、そのうち96ビットをユーザーが使用することができます。また、不揮発性メモリーの搭載により、サプライチェーンでのタグ貼付時にユーザーがプログラミングすることで、個別アイテム毎に所定のコードを入力できるほか、移動や処理が進むごとにデータを更新することが可能です。

詳細お問い合わせ先
オムロン株式会社
事業開発本部 RFID事業開発部 
広報・渉外担当 立石 俊三
TEL : (03) 5435-2016

弊社の2009年3月21日付組織変更において、「事業開発本部 RFID事業開発部」は解消(廃止)となりました。当部門から提供しておりました製品の中には今後の販売を終了させていただくものがあります。詳細はこちら

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