携帯電話に搭載できるわずか0.6秒で所有者を認証する顔認識技術を開発~ OKAO Vision 顔認識センサV2 ~
- 2005年9月6日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社は、カメラ機能を備えた携帯電話や携帯情報端末(PDA)などモバイル機器に搭載可能な、顔で所有者を認証できる「OKAO Vision 顔認識センサV2」(注)を開発し、携帯電話機メーカなどに向けてソフトウェアの受注活動を開始します。 <イメージ写真>
携帯電話をはじめとするモバイル機器では、記憶容量との処理能力の制約から高度な顔認識技術の搭載は困難でしたが、2005年2月に開発した「OKAO Vision 顔認識センサ」によりモバイル機器への搭載が可能になりました。今回はさらにアルゴリズムの改良を重ね、室内および屋外の照明環境についての認識率を向上しつつ、処理速度を従来比約2/3の0.6秒に高速化することに成功しました。
これにより所有者を認証するための処理時間が短縮されることから、モバイル機器でも、よりスピーディーで操作性に優れたセキュリティが実現できます。
近年、電子マネーを搭載した携帯電話の普及が拡大し、さらに、2006年には、定期券も携帯電話に搭載される予定です。このため、携帯電話の紛失や盗難時における不正使用に対するセキュリティ対策が急務であります。「OKAO Vision 顔認識センサV2」は、このような社会ニーズに対して、当社の得意とするセンシング&コントロール技術を通じて、安心・安全を提供できる技術です。
なお本技術は、9月14日(水)から16日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「第7回自動認識総合展」、さらに、10月4日(火)から8日(土)まで幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN2005」に出展します。
当社は、人がより快適に機械を利用するための研究開発に注力しています。例えば、機械が人の状態を把握し、その人に合った機能を提供する。このように、より簡単で快適に機械を利用できる「人と機械のベストマッチング」を目指しています。
(注) 顔画像センシング技術「OKAO Vision」は、オムロンのコア技術のひとつで、人の視覚特性に学んだ解決手段(アルゴリズム)により顔認識ができる技術です。
特長
- カメラ付き携帯機器であればハードウエアの追加無しに搭載可能
- 認証に要する時間は約0.6秒、簡単・スピーディーに認証完了
- 顔の撮影位置を特に合わせることなく、カメラで顔を写すだけで所有者かどうかを自動的に認証することが可能
仕様・性能
- 認識率 : 本人認識率99%以上(当社データでの評価結果)
- メモリ使用量 : ROM330KB、RAM500KB
- 登録データサイズ : 3.5KB/枚
- 処理時間 : 約0.6秒(MSM6500において)
- 対応OS : Symbian OS、BREW、組込みLinux、ITRON
(記載されている会社名や製品名は、各社の登録商標または商標です。)
技術的な特長
- OKAO Vision 顔認識センサの処理の流れ
顔認識センサは、以下の2つの処理により、個人を認証します。
(1)顔検出処理
カメラでとらえた画像から顔の位置を検出します。
(2)顔認識処理 - 顔認識方法
個人の特徴が顕著に現れる目元・口元を中心に、各顔器官の形状を「方向」と「間隔」でとらえて認証します。(下図参照) これにより情報を簡略化して個人の特徴をとらえることができるため、小型・高速な顔認識が実現できます。
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社
広報部長 生越 多惠子
TEl : 075-344-7175