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「IoT×農業」環境センサーで持続可能な食料生産に貢献

「IoT×農業」環境センサーで持続可能な食料生産に貢献

インドでは、労働人口の半数以上が農業に従事しており、GDPに占める農業の割合は約17%です。それでも、13億人を超える国民の十分な食料を生産することは大変なことで、その需要は今後さらに拡大していく見込みです。加えて、気候変動、土壌汚染、耕作地不足などに農業従事者は苦しめられています。そこでオムロンは、インドの農業の未来に向けて、現地ベンチャー企業と連携し、オムロンのコア技術"Sensing & Control +Think"を活用することで、13億以上の人々に長期にわたり食料を供給するため持続可能な方法を見出しました。

 

高まる環境制御型農業(CAE)への期待

近年、テクノロジーを利用して生産性を向上させながら、環境や人々の健康に配慮した農作物を育てることを目指す、環境制御型農業* がますます注目を集めています。IoTを駆使しするスマート農業で、消費者に・生産者に・環境にやさしい未来の食生活をめざす取り組みは、持続可能な社会に向けてなくてはならない課題です。しかし、一次産業のIT導入が遅れていることも事実で、インドの農業においても生産面の課題が浮き彫りになっていました。
オムロン インドのセールスエンジニア、パンカジ・ガルワール(Pankaj Garhwal)は、農業に携わる人々が直面する問題を解決したいという想いから、オムロンの技術で農業の技術発展に貢献したいと考え共に解決してくれるパートナーやプロジェクトを探していました。そのなかで、アグリテックを手がけるインドのスタートアップ、グロバース ラボ(Gloverse Labs)に出会い、革新的な農作物生産システム『スマート栽培システム』開発への取り組みに参画しました。

 

13億人の食生活を支える『スマート栽培システム』の開発

スマート栽培システムとは、離れた場所からでも、スマートフォンを使って、栽培室内の環境を制御が可能になるソリューションです。インドの広大な土地で、厳しい環境変化に瞬時に対応し、農作物にとって最適な成育環境を維持することは、農家にとって難しい問題です。そこでオムロンは、温度や湿度、照度などの主要パラメータを感知し、作物の生育にふさわしい条件を整えることができる自社のIoTソリューション「環境センサー」を組み込むことを提案しました。
* 環境制御型農業(controlled environment agriculture: CEA)とは、テクノロジーに基づく農業を志向する多様なシステムを包含するものです。

環境制御型農業の栽培室で使われているオムロンのIoT環境センサー環境制御型農業の栽培室で使われているオムロンの環境センサー

グロバース ラボの共同創設者 ガウラブ・カンサリヤ(Gaurav Kanthaliya)氏は、次のように語っています。
「オムロンの環境センサーは、リアルタイムのデータ分析によりスマート栽培システムの効果を最大限引き出してくれます。そのため、利用者は十分な情報に基づいて判断を下すことができます。」
具体的には次のような成果が見込まれています。

  • 最大10倍の収量
  • 水や肥料などの資源使用量 80%削減
  • 殺虫剤の使用ゼロ                 

 

オムロンのIoT技術と、農業の未来への可能性

ガウラブ・カンサリヤ氏はインドの農業の未来について語ります。
「私たちは現在、このセンサーを使って、植物や作物とコミュニケーションをとるためのシステムを開発しています。このシステムを使えば、『トマトの色、質感、大きさは●●で、X日目に収量Yが収穫できるようになっていてほしい』 という具合に、こちらの希望を植物に正確に伝えることができます。このシステムは、インドの食料生産の方法を進化させるでしょう。」

オムロン インドではスマート栽培システムをベースにさらなる開発を進めています。環境センサによって環境制御型農業の実現だけでなく、農業そのものをアップデートする未来が近づいています。

331_3.jpgオムロンの環境センサーを使用したスマート栽培室

オムロンはこれからも、社会的課題解決に向け、自社の技術を活用し、ビジョンを共にする多様なパートナーと協力しながら、持続可能な社会の実現に貢献する製品・サービスを提供し続けます。

 

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