We are Shaping the Future! 私たちが手繰り寄せる未来ストーリー
~韓国ものづくり安全を共に創る~
"早く、早く"を合言葉に急速な経済成長を進めてきた韓国。
1970年代の衣料品産業に始まり、鉄鋼、船舶、半導体、自動車、さらに、家電・モバイル製品とものづくり産業が発展し、経済成長を遂げてきた。
もし、ものづくりの現場で事故が発生してしまったら?
人命が危険にさらされるだけでなく、生産までも滞り、成長にブレーキがかかる。
「人々の生活を豊かにする経済成長に寄与しながらも、作業者が安心して働ける安全な工場をつくりたい」。
ちょうど10年前、韓国ものづくり現場の安全にオムロン韓国は動き始めた。
オムロン韓国は、韓国を代表する大手企業に「作業者一人ひとりが安心して働ける製造現場を一緒につくりましょう」と、提案をスタート。
しかし、設計者は、「新たに安全システムを設計すると時間も費用もかかる」。
作業員たちは、「慣れ親しんだ作業環境が変わるのは嫌だ」「安全性を優先することで生産効率が落ちる」と口をそろえた。
万が一、事故を起こしてしまった場合にかかる経済損失や社会的信頼の損失は大きいにも関わらず、それよりも先行することがある。
働く人たちの安全への理解が深まらなければ、安全なものづくり現場を実現することはできない。
「私たちが提案したのは、ものづくり現場で働く人の意識改革をも含めた『ワンストップトータルソリューション』です」とプロジェクトリーダーのLee。
「人は間違える、機械は壊れる」といった安全確保の基本的な考え方から、安全機器・装置の選定、その使い方までをサポート。
安全規格の制定やマニュアルを作成、作業者向けの安全教育も実施する。製造現場の安全に関わる全てをサポートするコンサルティングサービスだ。
現場の声を聴くことを重ね、作業者が分からないこと、危険だが対策の難易度が高い作業といった疑問や悩みを吸い上げ、1つひとつを提案に反映した。
その内容を管理監督者や設計者を集めて基礎からの教育を重ねる。
作業現場にある電気配線や配電盤の危険性、ゆっくり動いて安全に見えるロボットが秘める強力なパワー、すぐに止まらない工作機械や搬送機械がもつそれぞれの危険な特性というように、機械がどんな状態に陥った時に人にとって危険な存在となるのか、徐々に理解が深まる感触を掴んだ。
作業者向けセミナーでは、実際に作業現場が安全に変わるイメージが想起できるよう、会場に実際の作業現場を再現。
人と機械の安全な関係を保つ上で、安全装置が果たす役割を実践交えて体感してもらうことで、その重要性を実感してもらった。
「オムロンと一緒にならものづくり現場の安全性向上に取り組みたい」。
ある教育の場でお客様から発せられたこの一言。
Leeは、「信頼してもらえた!お客様の意識が変わっていくのを感じた」と、振り返る。
ハイスペックで複雑な安全対策を導入することが全てではない。
簡単に侵入できないようカバーを付ける、安全フェンスや扉を設置する。安全規格に満足する安全な機構の部品に付け替える・・・など、改善例がシンプルになることの方がまだ多い。
しかし、こういった一見シンプルに見える改善を見逃さず確実にすることが作業者の命を守ることにつながる。
現場の声、工場の特長や環境に合わせ、徹底的にローカライズしたことが、このソリューションの成功へとつながっていった。
ソリューションを導入後、安全意識が目に見えて変わった。
最初、疑心暗鬼だった人々も、安全対策への投資を決め、現場へ展開。
安全教育やセミナーを継続し、作業者や開発者の啓発に取り組んでいる。
その結果、災害事故率は年々下がっていると言う。
このオムロン韓国の取り組みは、韓国のものづくり現場の安全対策導入成功事例として注目を集め、ビジネスモデルとして韓国国内で横展開されている。
今後、ものづくりの現場は進化を続け、より一層高度化していく。
人に代わり機械に任せる範囲は増え、多種多様なロボットがものづくり現場に導入されてきている。
人と機械の作業の境界線はなくなり、機械が人に合わせて同じ空間で共に仕事をするパートナーとなる未来がやってきた時、機械は自ら考え自ら動く存在になっているだろう。
しかし、そこに至るまで、人間は機械に何が安全で何が危険かを、自らが学び、機械に教え続けなければならない。
人の学びは、次の時代へ続く道となる。
だからこそ、オムロンは安全機器や装置という"モノ"だけを提供するのではなく、教育やコンサルティングといった知見やサービスを人が獲得する場を含め、安全な環境づくりで体験を蓄積する"ソリューション"という価値にして提供している。
「進化するものづくり環境の中でも、人の安全を価値として提供しつづけるという大きな使命を胸に、世界のものづくり現場の安全を高めたい」。
Leeは未来への道を着実に進む。
未来のものづくり現場も、人にとって安心な場所でありつづけるために。
オムロンの挑戦はこれからも続きます。