インドの製造業の発展加速に必要なイノベーションと日本企業が果たせる役割 ~アジアものづくりカンファレンス 2016 インドにて講演~

"Make in India"を掲げるインド。
世界の製造・輸出拠点へと発展させるべく、インドでは製造業の競争力強化が急務となっています。
インド有数の世界都市であり、南インドの商工業・政治・文化の中心であるチェンナイ(タルミナード州)では自動車産業を中心に製造業の集積が進み、世界への輸出拠点としての期待が高まっています。

インド製造業の発展加速には、必要なイノベーションは何か。そのために日本企業はどんな役割を果たすのか。
2016年3月15日、日経BP社と海外産業人財育成協会(HIDA: The Overseas Human Resources and Industry Development Association)は「アジアものづくりカンファレンス」をチェンナイで開催。
インド企業の経営者や生産部門、研究開発部門の幹部など200名超が集まり、製造業のイノベーションをリードする企業の講演に熱心に耳を傾けられました。

オムロンは、自動車メーカー、電子部品メーカー、世界有数のインドの工科大学とともに参加。
ファクトリーセッションにて、インドOmron Automation社のマネージング・ディレクターのサミール・ガンディが、モノづくりのベースとも言える品質管理の重要性を説明するともに、そのための品質追跡ソリューション、トレーサビリティ事例を紹介いたしました。

トレーサビリティの重要性

トレーサビリティとは、工場の生産ラインを流れる製品・部品やその素材の来歴や実際の作業履歴などを個々製品に記録し、生産の過程を明確にすることによって、出荷後でも商品の履歴を追跡できるようにすること。

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「サプライ・チェーンが複雑化して、製造プロセスや市場で問題が生じたときに、その原因を突き止めることが難しくなりました。その一方で、たった1つの問題が企業に莫大な損失を与えた事例が数多く発生しています。これらの問題を同時に解決するうえで、トレーサビリティ・システムは不可欠。」とサミール・ガンディは、インドのモノづくりにおいて、トレーサビリティが重要性になっていることを強く訴えました。

品質管理の強化とサイクルタイムの短縮を同時に実現

追跡する項目の数を増やすと、扱うデータ量が膨大になるという課題はつきもの。
複雑化するシステムをシンプルに、膨大なデータをより高速に取りこぼすことなくデータベースに格納できるようした、自動車産業での工作機械の最新システムを例に紹介。
また、検査工程にトレーサビリティ・システムを導入したエンジン組み立てメーカーの事例では、30カ所を超えるポイントの人による検査と手入力でのチェック作業を、画像センサーで全数自動検査、記録するシステムを紹介。製品のシリアル番号での自動管理を可能としただけでなく、5倍~7倍と大幅な生産性の改善にも寄与しています。

「これからもオムロンは、Make in Indiaに向け、高い品質を追求するインドのパートナーとして、幅広いオートメーション技術やサービスを更に進化させ、生産現場のものづくり革新に取り組んでまいります。」とサミール・ガンディは締めくくりました。

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