杉原 知道Tomomichi Sugihara
技術・知財本部 ロボティクスR&Dセンタ/副センタ長
情報理工学系研究科・知能機械情報学専攻 博士課程修了 / 2021年入社(キャリア入社)
技術・知財本部 ロボティクスR&Dセンタ/副センタ長
情報理工学系研究科・知能機械情報学専攻 博士課程修了 / 2021年入社(キャリア入社)
My Career
「人のように考え行動するロボット」の実現を志し、大学で20年間研究開発と教育に従事したのち、スタートアップのリサーチャーを経てオムロンに転職。技術専門職として、様々なロボット開発のスーパーバイズを行っている。数年先の事業化を念頭においた技術を先んじて仕込んでいくのがミッション。
ー オムロンを知ったきっかけ・入社した理由
長らく大学で研究活動を行っていましたが、研究が進み完成度を上げるべきフェーズに入ると、教育の枠の中でそれを行うことが困難になる、という矛盾を感じるようになりました。そこで、私が大事だと考えるロボティクス技術を実用にまでつなげるべく、一念発起して民間企業に転職しました。オムロンには、私の思い描くようなロボットの開発に長期的に取り組んで社会実装しようとする意気込みを感じ、入社しました。大学教員時代に立石財団※に研究助成してもらったことも、縁であったと思っています。
※詳細はこちら:立石科学技術振興財団について
ー 現在の仕事内容
現在は、入社後に起ち上がったロボティクスR&Dセンタで、数年先の事業化に向けた技術開発をスーパーバイズしています。特に力を入れているのは、創薬実験の自動化です。これは、今のオムロンが得意とするファクトリーオートメーションの定石がほとんど通用しない難課題です。実現のためのシステムアーキテクチャを描き、必要な技術群を特定し、それらを開発するための体制をつくり、直接開発・実装に当たるスタッフの支援をする、というのが具体的な仕事内容です。開発内容はともかく、業務そのものは大学教員時代とあまり変わっていない気もします。
ー 仕事のやりがいについて
誰もなし得てない、高難度かつ価値の高い自動化システムの開発を業務とさせてもらえるのは、ロボット研究者冥利に尽きます。私の元々の専門は多関節ロボットの機構学・運動計算・制御・動作計画・行動設計などですが、最近はそれらに加え、デクストラスマニピュレーションやリアルタイムな外界のセマンティック認識なども手がけており、最新のAI技術にキャッチアップする必要もあります。必要性を元に自然と知識の幅が拡がっていくのを、日々実感しています。やる気のある若い研究員との議論から新しいアイデアが生まれることもあり、それもやりがいを感じる理由の一つです。
今後、チャレンジしたいこと
大変残念なことに、ロボット分野における日本の競争力はかつてないほどに低迷しています。各々の企業や研究機関が個別に活動を続けていたのでは到底挽回できません。健全な開発競争によって互いに高め合い、世界の第一線に追い付いた上で各々独自の技術を磨いていく、そんな組織を超えた活動を企画・推進していきたいと思っています。
私にとってはワークも重要なライフの一部なので、特に工夫はしていません。ロボティクスの勉強やソフトウェア開発は、もはやワークなのか趣味なのか自分でも分かりません。