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「ニューノーマル」な暮らしを支える。
非接触ハイブリッドエレベータースイッチを生んだ共創


新型コロナウイルス感染症拡大によって、私たちの暮らしは大きく変化した。とりわけ顕著なのが、あらゆる生活シーンにおける「非接触」だ。オムロンは、人が直接モノに触れることなく操作できるセンシング技術でニューノーマル時代の暮らしを支えている。

コロナ禍での社会ニーズに、
スイッチとセンサの技術で応えたい

2020年12月、フジテック社は、タッチレスでエレベーターを操作できる「プッシュ式ボタン一体型」の非接触ボタンを発表した。同非接触ボタンは、ボタンの上に手をかざすと赤外線センサが検知・反応する「非接触センサ」と、従来通りの「プッシュ式ボタン」の両方の機能を持つ「ハイブリッド型」を特徴とする。また、誰にとっても使いやすい「ユニバーサルデザイン」も実現している。フジテック社とともにこの非接触・接触のハイブリッドスイッチを開発したのが、オムロンだ。コロナ禍での新たな社会ニーズに一刻も早く応えるために、できるだけ短期間で商品化したい——そんなフジテック社の想いに応え、スイッチとセンサの両方の技術を持つオムロンの強みを活かし、新しいタッチレスエレベータースイッチ開発への挑戦が始まった。

「プッシュ式ボタン一体型」非接触ボタンが商品化される前の非接触ボタン方式

「プッシュ式ボタン一体型」非接触ボタンが商品化される前の非接触ボタン方式

誰にとっても使いやすい
非接触ボタン開発に挑戦

フジテック社がタッチレスでエレベーターの操作ができる非接触ボタンの開発に着手したのは、約5年前。2020年4月には業界初の非接触ボタンを市場に送り出した。しかし、コロナ禍を経て、今後さらに広く普及させていくためには、課題も残されていた。視覚に障がいがある人も含めて、誰にとっても使いやすくするためには、非接触センサだけでなく、従来通りの押しボタンも必要となる。しかし既存の非接触ボタンは、プッシュ式ボタンの横に非接触センサを配置した構造のため、操作盤にボタンを一列しか並べられず、最大でも6階層分にしか対応できないという課題があった。この課題を解決するために考え出されたのが、従来の操作ボタンと同じスペースに非接触センサとプッシュ式スイッチの両方を組み込んだ「プッシュ式ボタン一体型」(非接触ハイブリッドエレベータースイッチ)の非接触ボタンだ。

幾つもの壁を乗り越えた、
パートナーとの連携

しかし開発においては、さまざまな困難が待ち受けていた。まず、省スペースでの「一体型」の実現という壁。オムロンは電子部品事業(DMS)モジュール開発部を中心としたチームで智慧を絞り、「スイッチ開発チームのメカ設計技術」と「センサ開発チームの光学設計技術」の強みを掛け合わせることで、一体型・コンパクト化に成功。品質・耐久性を維持しつつ、多彩な機能を1ユニットにパッケージ化させた。二つ目の壁は、「誤操作」。フジテック社による150人以上での試験・検討を経て、センサの位置や感度の微調整が繰り返され、センサが反応するのはボタンからの距離が1~5cmの限定されたエリアと設定。そして人や物がボタンに近づきすぎても、離れすぎてもセンサが反応しないように、オムロンのセンシング、光学設計技術で誤操作を防いだ。3ヵ月間で作られたサンプル数は250個以上にも及んだ。そして開発が始まってから半年後、通常1年以上はかかる開発期間を大幅に短縮し、ついに新タイプの「非接触ボタン」が完成した。

スピーディーな開発を支えたものは、パートナー企業との強固な信頼関係とオムロンがこれまで培ってきた技術力の結集だった。社会的課題の解決には、オムロンの枠を超えて、周囲と連携していくことが欠かせない。より良い社会をつくりたいと願う想いのもと、パートナーとの「共創」で、今後も多様な分野へのソリューション提供を続けていく。

デモ機で、評価をしている様子(左から、フジテック社 松岡氏、萩澤氏、オムロン 河合、柿本)

デモ機で、評価をしている様子(左から、フジテック社 松岡氏、萩澤氏、オムロン 河合、柿本)

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