──2Fのコンセプトは?
古舘:「未来的であること」です。
高橋:技術のフロアなので、常に進化させていこう、ということになりました。
古舘:いまある技術よりも、その先の「何か」を魅せる。オムロンがここまで展開してきたように、これから展開していく未来を想像できるようなイメージです。
──フロアの中央に、未来のソリューションが印象的に投影されていますね。「目で見て頭で考えて理解する」というより、このフロアは「五感で感じる」ことを大切に、言葉ではなく、視覚的なアプローチが印象的です。
仲西:ミニチュアは、未来の京都の街をイメージしています。住宅や工場、京都タワーやホテルがあり、町屋や枯山水もある。
古舘:最新のテクノロジーを動員して、プロジェクションマッピングを、ほぼ360度映像で投影した、全方位的なつくりにして、全体としてスペクタルとして見せる、ということも、始めの段階から重要なポイントでした。
仲西:劇場的効果というか、「わお!」という感動を持って帰ってもらいたいですね。
高橋:プロジェクションマッピング含め、2Fのフロアは基本3ヶ国語対応になっています。言葉で説明しなくてもわかるような、「インフォグラフィック」という、グラフィック・インフォメーションだけで伝えるよう意識しました。
仲西:100人の人が見に来たときに、100人の人に同じ情報を伝えるのではなく、そのひとりひとりが興味を持ったことを持ってかえってもらうような、それぞれの興味にしたがって見られるようにしたかったんです。なので、あまりガチガチに決めないで、興味が赴くところを見てもらって、また戻ってきてもらう。ひとりひとりの感覚に訴えかけるようにしました。
言葉で説明しなくてもわかるような、「インフォグラフィック」という、グラフィック・インフォメーションだけで伝えるよう意識しました
古舘:最初にSINICの話を聞いたときから、「これは未来で行くしかない」ということになったんですよね。
仲西:3Fでまず始めに歴史を体験してもらって、そのあとに2Fに降りてきて未来を見てもらう。
リノベーションを手がけるなかで、僕たちもとても感動することばかりでした。いろんな国籍、いろんな年代の方が来ても楽しめるよう、わかるよう、感じられるようなものをつくりたいと思ったのがコンセプトのベースです。
古舘:そもそも違う用途を目指して開発されていた技術が、その応用で全く別の分野で何か新しい可能性を開いていく。実際に電子基板の検査のための技術からOKAO Visionのような人の表情を認識する技術へと展開し、それがスマートドライビングに繋がってる(※6)。
高橋:今後、新しい未来ソリューションの配置もできるよう、柔軟に全体が入れ替え可能なようになっているのもポイントのひとつです。
仲西:次のステップへ、どんどん新しく書き換えられるようにしていこう、というのもリノベーションのポイントでした。オムロンが企業として変化していくように、このコミュニケーションプラザも変化していく、というイメージです。
「オムロンの技術で、こういうことがやりたい、こういうものを見せたい」というアイデアはまだまだたくさんあります。
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技術とアートが創造的に融合する時、人の五感を揺さぶる新たなアートが生まれる。
そんな人の感性をフルに発揮させる芸術家と技術者が描く創造的な未来が体感できるオムロンのコミュニケーションプラザ。ぜひ足を運んでみて頂きたい。
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※6
コミュニケーションプラザで擬似体験できる「ドライバー運転集中度センシング技術」では、自動車に設置されたカメラの映像から、運転しているドライバーのまばたきの回数や顔の向きなどを感知し、ドライバーの状態を把握。車はドライバーの状態に合わせた制御を行うことが可能となり、「ぶつからない車社会」の実現をめざす。くわしくはこちら