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第5世代フォルフェウス CES 2019で世界初披露

「人と機械の融和」をアップデート

1月8日~11日に開催された、世界最大級の家電見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2019」。世界の名だたる企業が出展するCESは米国ネバダ州ラスベガスで毎年1月に開催されており、出展企業は4500社、そして来場者は18万人を超える。名実ともに世界一のエレクトロニクスの祭典だ。近年は家電だけでなくAI、IoTをはじめ、電気自動車や自動運転、ロボティクス、5G通信、仮想現実など最先端のテクノロジーが披露される展示会と位置付けされており、出展企業の注力技術や将来のビジョンが発表される場として世界中の注目を集めている。

オムロンは昨年に続き2年連続で出展し、第5世代となる卓球ロボット「フォルフェウス(FORPHEUS)」を世界初披露した。

フォルフェウスは、オムロンが目指す「人と機械の融和」を体現するロボットである。昨年のCES 2018において米国で初披露された第4世代フォルフェウスは、機械と人がインタラクションすることで人の能力を引き出す「人と機械の融和」した姿に多くの注目が集まった。フォルフェウスは、相手のスマッシュ動作を感知・予測し返球し、プレイヤーのスキルレベルに合わせて難易度を調整し返球することができるため、ラリーを継続する中で人のスキルを向上できるのだ。従来のロボットは人が一方的に命令しそれを処理することが役割だと考えられていたが、人の命令に従うだけでなく、協調し、ロボット自身が考え、人の成長を促すフォルフェウスはまさに「人と機械の融和」の象徴である。

卓球ロボット第5世代フォルフェウス

第5世代フォルフェウス

第4世代の機能を向上し、ラリーに深みと面白さを加える

今回、フォルフェウスは第5世代としてラスベガスに帰ってきた。第4世代が実現したセンシング能力や予測精度、そしてプレイヤーに対するコーチング能力などを踏襲しながら、その能力は大幅にバージョンアップしている。

第4世代は既にスマッシュショットを予測し返球する機能を備えていたが、第5世代にはさらにカット/ドライブで返球する能力が追加された。制御軸の数を増加し、人間の肘の動きを模したロボットアームを搭載したことにより、ボールの軌道、返球リズム、そして球種までもが人に近いレベルで実現し、本物のプレイヤーに更に近づいた。可動軸が増えたことで、フォルフェウスはトップスピンとバックスピンができるようになり、ボールの返球の選択肢が広がった。これらの新技術がゲームに深みと面白さをもたらし、プレイヤーはより白熱したラリーをフォルフェウスと楽しめるようになったのだ。

制御軸の数を増加し、人間の肘の動きに近づいたロボットアーム機構

制御軸の数を増加し、人間の肘の動きに近づいたロボットアーム機構

第5世代フォルフェウスは従来3台だったカメラを5台にしたことで、センシング能力が大幅に強化された。プレイヤーのフォーム(打つ姿勢)、ラケットの位置と打つスピード、そしてボールの弾道、これらを全てしかもほぼ同時に感知することが可能となった。

更に、蓄積したラリーデータを利用することで、ボールが実際に打たれる前にボールが返ってくるポジションと方向をより正確に予測可能となり、より正確に速いスピードでボールを狙った場所に返球できるようになった。

また、 フォルフェウスはプレイヤーに対しアドバイスもできる。センサーを通して収集されたデータによって、フォルフェウスはプレイヤーの動きを分析。そして熟練したプレイヤーの動きと比較することで、各プレイヤーのスキルレベルを把握し、スキルアップのためのアドバイスをすることができるのだ。

あらゆるレベルのプレイヤーに対して「自分より少し上手な練習相手」になるフォルフェウスは、「卓球コーチ」としても進化したといえる。

コーチング機能

ファクトリーオートメーションで実現する「人と機械の融和」

卓球だけでなく、全てのスポーツは複雑な動きの組み合わせで成り立っている。状況を感知して理解、収集されたデータからの適切な判断と次の動きの予測、それらに基づいた最適な行動の全てを瞬時に行わなければ、ロボットは人の運動の領域には達しない。これらを実現するのが、オムロンのコア技術「センシング&コントロール+Think」であり、フォルフェウスはこのコア技術の結晶である。

そしてこの技術は、ファクトリーオートメーションの分野でその真価が発揮されている。

CESのオムロンブースでは、フォルフェウスで使用しているものと同じセンサー、コントローラー、ロボットを使用した「近未来のモノづくり現場」を展示。フォルフェウスを構成する最新技術が、どのようにモノづくり現場の生産性や品質を高め、作業者の安全性を高めるかをご来場いただいたお客様に体感いただいた。

オムロンはファクトリーオートメーションにおいても、機械が人の動きや思考を理解し、支援することができる関係性を目標としている。機械が人を成長させ、そして人が機械を成長させる。このような人と機械が互いに補完し合う関係こそが、オムロンが目指す「人と機械の融和」である。

▼OMRON CES 2019 特設ページ(英語)

※ファクトリーオートメーションの展示レポートは後日掲載いたします。

卓球ロボット

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