「生涯、エンジニア。」──17年以上ハードウェア開発に携わってきたエキスパートの想い

現在の業務内容は？

現在は、オムロングループのヘルスケア事業の組織内で、主に循環器向けの血圧計をはじめとした製品に対して、新しい技術を確立するためのプロトタイプの設計を行っています。その中でも、私はハードウェア担当なので、回路や基板の設計をしています。

ハードウェアの仕事はポジション上、ソフトウェア担当やメカ担当の間に入ってプロジェクトを取りまとめることが求められます。そのため、プロトタイプの仕様を考えるところから始まり、すべての工程に関わっています。

この会社に入る前は、音響機器メーカーや家電メーカーなどで経験を積んできました。当社を含めて、3社すべてにおいてハードウェアの回路設計をやり続け、今年で17年目になります。気がつけば、自分もベテランの域に入ってきたなぁとしみじみ感じています。

経験した困難や苦労は？

私が仕事をする上で大事にしていることは、「現場を知る」ことです。

私たちが作ったプロトタイプがどのように臨床試験に使われるのか。臨床試験担当者へヒアリングすることで、試験の目的と取得すべき生体信号を理解し、かつそれがどのような環境、手順で行われているかを把握した上で次なるプロトタイプを開発します。

完成後は、臨床試験に立ち合って試験手順や被験者の様子、測定結果を見ることで新たな気づきを得て、次につなげるように心がけています。

これまでの業務の中で苦労したことは、現在のプロジェクトに入った当初、生体情報の測定をすることがまったくの初めてだったこともあり、予測した通りにいかなかったことです。

回路を通した動きは想像できていたのですが、いざ測定をしようとするとまったく想像と違った波形が出てきたりして……。そして、その原因について知識がないので追えないんですよね。ですので、生体についての理解と、それに対応する回路の理解と両方を合わせていくことにはかなり苦労しました。

そうした苦労を乗り越えて作っているプロトタイプがあるのですが、今はこれが期待通りに動いてくれることを祈るばかりです（笑）。微弱な信号を、ノイズを抑えて取得するところがかなり苦労したので、もしそのプロトタイプが想像通りに動いたら、これまでのエンジニア人生の中で一番嬉しいことになるかもしれません。

現在の配属部署では、常に新しいことにチャレンジしているので、それらが形になるときはとてもやりがいを感じます。また、ヘルスケア商品に関わっているので、社会貢献につながっていると感じられる場面も多く、働いていて嬉しいです。

大切にしている心構えは？

私は、まだまだエンジニアとして成長していきたいと思っています。オムロングループには数多くの製品があり、自分がまだ関わったことのない製品がたくさんあります。

なので、それらの設計に関わっていきたいです。そして、まだ確立していない技術に取り組み、何かしら特許を申請できるアイデアをカタチにできればと思っています。

当社には、オムロングループ以外の会社も含めさまざまな分野の仕事があるので、自分のスキルを活かして伸ばしていける場がたくさんあります。私も、常に成長し続けられる環境に身を置きたいなと考えています。

もちろん、ただ待っていてもその仕事ができるわけではないので、しっかり力をつけてアピールすることが重要だとも思っています。会社の制度としても技術者のスキルアップをサポートするフォロー体制は整っています。

私が気に入ってよく活用しているのが書籍購入制度（年間1万円まで補助）です。やはり、常に最新技術はキャッチアップしていきたいですし、業務で新たな知識が必要なときにはよく本を購入するので、だいぶ助かっています。

目指すエンジニア像は？

エンジニアをやられている方は、何かを追求することが好きだと思うんです。新しいことがわかったり、技術的な壁を越えたり……。そういうことが楽しくてやっているところがあるのだと私自身も感じます。逆に、それを止めろと言われたらきついかもしれません。

会社が掲げる「生涯、エンジニア。」というスローガンは、ずっと現場でというイメージもありますが、私個人としては自分が教える側に立って組織を変えていきたいというのもあり、ゆくゆくはマネジメントも経験していければと思っています。

また、当社も多様なキャリアに応える制度を設計してくれています。新しいものが好きだったり、モノづくりが好きだったり、考えるのが好きだったり……。エンジニアの特徴はいろいろとありますが、当社にはそのようなエンジニアの想いをサポートする体制がしっかりあり、成長できる環境が用意されています。

チャンスも多いですし、店頭に並ぶ製品に関わることができるとやりがいも大きいです。ぜひ、一緒にエンジニアとして新しいチャレンジをしましょう。