期待と不安で胸を膨らませ、この春、オムロン エキスパートエンジニアリング株式会社(以下、当社)に入社した新入社員。入社初日の4月1日、先輩社員と座談会を行い、社会人としてそしてエンジニアとしてこれから活躍していくためのヒントをもらいました。
インタビュアー
皆さんお集りいただきありがとうございます。さて今回は、数年前に新卒入社され活躍されている先輩エンジニアを迎えて、これまでどのような仕事をし、どのように社会人としてエンジニアとして成長、活躍されてきたかを伺いたいなと思っています。また事業運営を担っているマネージャー陣からも、人生の先輩としてお話を聞かせてください。
新入社員の皆さんにはこの座談会を通して、これからキャリアを積む上でどういうことを意識していけば良いのかなどの気づきを得て、大事な社会人1年目に活かしていただければと思っています。
では早速ですが、先輩エンジニアの方々から自己紹介を兼ねて1年目のお仕事や今まで携わってきた開発について教えていただけますか。
先輩H
私は、2020年に入社して今5年目になります。入社以来、オムロンのFAコントローラーのソフトウェア評価やテスト設計などを担当していて、最近はテスト自動化のプログラミングもしています。
私が入った年はちょうどコロナがまん延し始める年でリモート業務から始まったので、直接先輩から教わったり関係性を構築したりといった機会がなくて、思ったように進められないこともありましたが、早く戦力になりたいと思い、与えられた業務をがむしゃらにこなしてきた……そんな1年でした。
先輩K
私はエレキエンジニアとして2018年に入社し、研修後まず派遣としてオムロンでPLCなどのFA製品の保守業務をメインで担当してきました。その後、請負現場でもFA製品に関わる業務を行ったり、また派遣現場に行ったりと何度か行き来しています。
評価業務から始まり、その後3年目くらいから設計業務も担当しています。1年目は部品や回路、試験装置や扱っている製品の勉強に多くの時間を使っていましたね。
先輩T
AI開発がしたいと思い2021年に当社に入社し、技術研修とビジネス研修を経た後、オムロンの顔検出や人体・骨格点検出の技術開発をしている部門に派遣され、カメラやセンサの情報から顔や人、骨格点などを検出するソフトウェアの開発に携わらせてもらっています。
インタビュアー
では、新卒で入社されてからこれまでで、大変だったことはどんなことだったでしょうか。それをどう乗り越えたかも教えてほしいです。
先輩H
学生のころはコミュニケーションで困ったことなんてなかったのですが、仕事してみたら、伝えたい意図が全然伝わらなかったんです。正しいことを伝えているはずなのに、全然理解してもらえない。今振り返ると、学生のころはノリで会話していた部分も大きかったのかなと思います。
社会人になってからは、きちんと順序だてて伝えたり、相手によって話し方を変えたりしなければいけないと気づきました。学生のころとは違うコミュニケーションの質があるんだなと。
それからは、話す前にきちんと内容をまとめて書き出して、話の意味や意図を明確に伝えるよう心がけています。たとえば今日も、話すべき事柄を箇条書きでまとめてきています(笑)。
マネージャーN
人によってその話題の情報量が違いますし、あるいは目から情報を得やすい人もいれば、耳からの方が情報が入りやすい人もいますもんね。
先輩T
私は、「この人にはスライドで図を見せながら話したほうがわかってもらえる」「このケースはメール文章が良い」といったふうに、相手や状況に合わせて話の方法や持っていき方、見せ方を工夫しています。
新入社員M
相手によって話し方を変える必要があるのですね。ビジネスマナーという観点では、何か気をつけていることってありますか?
先輩H
当たり前かもしれませんが、ちゃんとメモを取ることですかね。その場でわかっていても意外と覚えていないものなんですよ。
先輩K
基本ですけれど、やっぱ挨拶をちゃんとすることですよね。人間関係はそこからがスタートです。
先輩T
私は学生時代よくプログラミングはしていたのですが、学生のころのプログラミングは自分の研究のためだったので書き方のルールも決まっていないし、自由に書いていました。
しかし社会人になってからは商品を買うお客さんや同じ製品を作るメンバーのことを考慮してプログラミングする必要があると教わりました。自分以外の人が読みやすくする必要がありますし、商品として安全な実装のためのルールなども決まっていたりします。始めのころはそうしたことを意識して書くことが大変でした。
インタビュアー
学生時代と社会人になってからのプログラミングでは、考えるべきファクターが違うのですね。その時に感じたギャップは、どのように乗り越えましたか。
先輩T
コードのルールについては、既存製品のコードをとにかく読んで覚えました。とても時間はかかりましたが、必要なプロセスです。
先輩K
私は、圧倒的に知識量が足りない点で苦労しました。大学で学んでいたことが今の実務とは分野が違うということもあって、本当に解らず最初は苦労しました。
ですので、とにかくいろいろな先輩に質問することで疑問を解消し、知識を積み上げるように心がけていました。最初に派遣された職場では当社の先輩がいなくて、直属の先輩が他の派遣会社の人だったのですが、聞けばちゃんと丁寧に教えてくれるんです。
マネージャーA
1年目はみんな親切に教えてくれるよね。この1年間はとくに大事に使ってほしいと思っています。解るまで聞いたほうが良い。
新入社員M
40~50代のエンジニアは、若手が聞きに行ったら喜んで教えてくれると思うよ。
マネージャーT
当たり前かもしれませんが、ちゃんとメモを取ることですかね。その場でわかっていても意外と覚えていないものなんですよ。
先輩K
私は7年目ですが、今でも新人のように先輩に聞きに行きますけれど(笑)。
新入社員I
Kさんは学生時代と分野が少し異なる業務だったということで入社後ものすごく勉強されたと思うのですが、そのきっかけとなるような出来事のようなことってあったのですか?
先輩K
実は、学生時代はあまり勉強を熱心にするタイプではなかったのですが、入社初期に出席した会議で話している内容がよく理解できなくて、自分が何をすれば良いのかがわからなかったんです。それがきっかけで、さすがに焦って、勉強しなければ!と思って必死で学ぶようになりました。
先輩H
私は自分が少しわかることでも、先輩に最初から質問してみたりします。その人の視点で話してもらうと新たな視点が見つかることもあるので、とにかくいろいろな人に質問してみることは大事だと思います。と言うのも、わからなかったことの答えを聞くだけでなく、なぜそうなるのかのプロセスやノウハウを聞いておくと良いなと思いました。
新入社員T
私は学生時代、答えを聞くことばかりを求めていましたが、プロセスを聞くことが大事なんですね。
先輩T
誰がどの分野に強い人かを把握しおいて、質問したいことを誰に聞きに行けば良いかをすぐに判断できるようにしておくことも大事ですね。
先輩K
私もそう思います。そのために幅広くいろいろな人と話すと良いと思います。自分の技術領域でない人にも聞きに行くことも、違う視点で開発を見ることができるので大事だなと思います。私はエレキですが、ソフト分野の先輩にも聞きに行ったりすることで知識が広がり、開発を進める際のコミュニケーションがとりやすくなりました。
先輩H
私も今回の座談会の依頼が来てからKさんと仲良くなれたのですが、分野の違う先輩であるKさんに、早速いろいろと質問をさせてもらったりしています(笑)。
インタビュアー
こうした社内のイベントなどをきっかけに自分のコミュニティを広げることもできますよね。皆さんのお話から、分野や所属を問わずいろいろな人とコミュニケーションを取っていくことや、コミュニケーションの仕方を工夫していくことの大切さが伝わりました。
では次に、先輩の皆様がエンジニア1年目の時にやっておけば良かったと思うことなど、新入社員へのアドバイスをいただけますか。
先輩H
私は、もっと早く基本情報処理などの資格を取っておけば良かったなと思っています。というのも初めのころは、先輩方が言っている言葉がわからなかったのです。資格より経験だって言われますが、やはり基礎知識は大事。
あと、もっと先輩や上司と話しておけば良かったなぁと思っています。コロナでリモートでの勤務という状況ではありましたが、初めからもっと話しておけば、もっと早くキャッチアップできたり視野を広げたりできただろうな、と思います。
先輩K
何をして良いかわからないという状態のまま放置しないで、先輩に話を聞いて、何をしたら良いか、もっと確認しておけば良かったと思っています。あとは意識して頼れる人を増やしておけば良かったとも思います。人脈づくりですね。
最後にアドバイスするとしたら、周りの人が困っている仕事を引き受けると良いと思います。仕事の幅も、関わる人の幅も広がりますよ。
先輩T
社会人になって新しい環境で新しい物事に取り組むため、最初はたくさんミスをするもの。たくさんミスをしても良いけれど、同じミスをしないように、原因分析とその対策を行っていくことが大切だと思います。
インタビュアー
では最後に新入社員の皆さんから今日の感想や、これから実践していきたいなと思うことがあったら合わせて聞かせてください。
新入社員M
会話をする相手の特性や専門性を理解して、内容を復唱すること、適宜文字や資料なども合わせて会話すること、伝え方を工夫することが大事だと学びました。認識や理解に齟齬がないように気をつけるべきなのだと。先輩と普段からコミュニケーションを取り、挨拶や返事など、基本的なところから心がけていきたいと思います。
新入社員I
さまざまな人とコミュニケーションとることが大事だと思いました。開発現場にはいろいろな会社の人がいますし、オムロングループの人だけでなく他社の人など、領域や会社などの枠組みを作らず幅広くコミュニケーションとっていきたいと思います。
新入社員T
「ホウレンソウ 」という言葉は聞いたことはありましたが、その具体的な方法についてたくさん学ばせてもらいました。報告する時にも、思いついたことを言うのではなく文章化したり、図を見せたり……。
また答えではなく、ノウハウを学ぶべきだという言葉はとても心に残りました。今後、意識して質問をしていきたいと思います。
マネージャーA
新卒1年目は、社会人として、そして技術者として基礎を築く大事な年となります。新入社員の皆さんが「生涯、エンジニア。」を実現させるため、さまざまな困難を乗り越えられる力を身につけられるよう、会社も先輩社員も、皆さんのエンジニアとしての自己実現を心から応援しています。
技術は進化する。
私も進化する。
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