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大切なのは使う人の立場に立った開発。AIを利用した画像処理エンジニアの最前線

オムロン エキスパートエンジニアリング

大学院卒業後、オムロン エキスパートエンジニアリング株式会社(以下、OEG)に新卒入社したTさん。社会人4年目になる2024年現在、最先端のAI開発に携わり、常に技術の最前線を追い続けています。入社以来、成長し続けるTさんはこの3年間で何を学び、これから何を見据えているのでしょうか。彼のキャリアを追いました。

今はどんな開発を担当していますか?

私はいま、オムロンのAIアルゴリズム開発をしている部門に派遣されて、顔や人体の検出をする製品の開発をしています。既存の製品では、眼鏡やマスクをしていたり逆光の環境下だったりすると、顔が検知しにくいという課題があったのですが、私たちのチームでは、そうした点を解決するために開発しています。オムロンの顔検出開発は業界でも先駆的な存在なので、常に最先端の技術に携われていると実感しています。

私が携わっている機械学習というのは、学習したモデルが大きければ大きいほど分析の性能が上がりますが、一方で、モデルが大きいと計算量が増えて処理速度が遅くなってしまうという欠点が生じます。こうした問題を解決すべく、性能を維持しつつモデルを小さくするようなアルゴリズムの最適化を進めています。

現在、この開発に成功し運用を開始するところです。ただ、どのデバイスでも高速で動かせるわけではなく、まだまだ開発を進めるべき点はたくさんあります。これから発展していく分野に関われるのは、とてもおもしろいです。日々、最前線が動き続けていて、それを追いかけ続けているような感覚です。

オムロン エキスパートエンジニアリング

現場で大切にしている視点は何ですか?

もともと学生時代からプログラミングが好きで、その中でもとくにAI技術に興味があったので、そうした技術に関われる仕事に就きたいと思っていました。縁があってOEGに入社し、2カ月間の新人研修後、現在の部署に配属してもらえました。望んでいた仕事ができてとても嬉しいです。

学生時代はボードゲームなどゲーム分野のAIに関する研究をしていました。それはそれでもちろん楽しかったのですが、誰かが使うことは意識せず、ただ結果を求めてプログラムを書いていました。

一方、仕事においては、当たり前ですが使う人がいて、その人たちが使いやすいように作ることが大切になります。また、一緒に働くチームのメンバーにとってわかりやすいプログラムを書くことも大事なファクターです。自分本位ではなく、使い手や、製品に関わる他の作り手を意識した開発をすることが、学生時代とは圧倒的に違う点だと思います。

前述の話と少し重なりますが、私が仕事において大切にしているのは、目的意識を持つことです。以前、何のためにやるのかわからないまま依頼された作業を進めていった結果、本来求められている方向と違うことをしてしまった経験があります。それ以来、認識のずれが生じないように、依頼されている仕事の一歩先まで聞くことを心がけています。

ただ、「認識合わせ」と一言で言っても難しいものだな、とも感じます。オムロン社員の人たちは開発の先の先の仕事を見据えているんです。製品を使う顧客が何を望んでいるのかを知らないと、うまく認識を合わせられないことも生じます。なので、自分が担当していない部分も含め、開発全体における顧客の要望を把握できるようなコミュニケーションを心がけるようにしています。

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苦労を乗り越えた経験はありますか?

これまでで一番大変だったなと思うのは、配属当時にC言語のレベルを上げなければいけなかったことです。大学の授業でも学んではいましたが、開発で使うレベルのスキルを持っていなかったので、初めは苦労しました。初めのころは通勤中や寝る前、お風呂の中でも、「こういう処理を行うためには、このコードを書かなければならない……」といったふうに、常にCのコードを思い浮かべていました。

私が覚えた方法は、基本的には既存製品の仕様書とコードを確認していくことです。そしてもっとも理解が深まったのは、処理のわからない部分を取り出して、その部分だけ実際に動かしてみること。どういう動きをするのかを実際に見ることは大事だとあらためて思いました。

また一方でもっとも印象に残っていることは、姿勢推定技術の開発が完了し、商品化できた時のことです。自分が関わった開発で初めて商品化されたもので、とても嬉しかったのを覚えています。姿勢推定というのは人の骨格点を推定して座標を出力する技術で、人がどのような姿勢をしているかを定量的に認識でき、人の転倒や転落の推定などに活用されるものです。介護の現場などでも使われています。

商品開発が終わり、目に見える形で世の中に出ていったことは「自分がこの商品を作ったんだ」という達成感や自信にもつながりました。顧客にも利用してもらい、社会で必要とされるものを作ることができて、モノづくり精神のようなものが自分の中に芽生えた感覚がありました。以来、技術面ではより性能の高いものをめざし、品質面では不具合が起きないよう慎重に確認し、満足してもらえるような商品を出したいと、以前よりも強く思うようになったんです。

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エンジニアとして目指す姿を教えてください

AI技術は、画像や動画、音声、気温や湿度など、数限りなくさまざまなデータを取り扱います。私はいま画像データを扱っていますが、時代に合わせてさまざまな領域のデータを扱い、対応できる分野を広げていきたいと思っています。

日々ニュースで新しい技術をチェックするようにしていますが、「いつか自分もこういったものを作れるのかな」なんて気持ちでワクワクしながら見ています。最近だと生成AIの技術活用のニュースが多いですよね。いまは、常にある技術を追いかけるので精いっぱいですが、いつか、この世にないものを生み出せるような技術者になれたら、最高のエンジニア人生だなと思います。

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技術は進化する。

私も進化する。

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